<近年、日本で発生している自然災害の一部>
- (1)台風対策は「窓」から。養生テープやダンボールは意味がない!?
大型台風が上陸すると、風速20m/s以上の暴風が発生することがあります。すると、路上の看板、植木鉢、家の屋根瓦、傘など、何気ないモノが空を飛び、一瞬にして凶器になってしまいます。
台風が近づくと、「養生テープなどを“米の字”に貼る対策」がおすすめされることがありますが、残念ながらこの方法は強度がなく、窓ガラスの補強にはなりません。窓ガラスは割れてしまうため、一時的に飛散は防げても、結果として被害が拡大してしまうのです。だからこそ、シャッターや雨戸で堅牢性を高め、飛来物で窓ガラスが割れる危険性を減らすことが非常に重要なのです。
また、見落とされがちなのが2階の窓です。窓ガラスが割れ、強風が室内に吹き込むとその勢いで屋根が吹き上がる危険もあるのです。
- (2)震度6強以上で倒壊の危険も。築年数にあわせた補強が必要。
日本では、大規模地震が発生するたび、住まいの耐震性の基準が改定されてきました。過去、大きく改定されたのは1981年と2000年の2回です。そのため、それ以前か以後のどちらであるかが、住まいの耐震性能を考える1つの目安になってきます。
もっとも地震対策が必要なのは1981年以前の「旧耐震基準」(旧耐震)の住まいです。この住まいは「震度5強程度」の揺れを想定し基準を策定しているため、震度6以上の地震でも大きな被害が起こりやすくなっていますまずは自分でできる耐震診断を行い、ひとつでも不安な項目があればプロによる診断をうけ、改修や建て替えなどの検討が必要です。
また、1981年から2000年に建てられた築年数が浅い住まいも、最大震度7が2回も発生した熊本地震のような大規模地震で倒壊したケースもあります。同様に耐震診断をしてから、プロの診断を受け、必要な箇所を補強するのがのぞましいでしょう。