瓦固定義務化の背景 |
2022年1月より瓦屋根の固定が義務化されました。現在、国は東日本大震災を契機に制定された国土強靭化基本法に基づき防災・減災対策を推進しています。
国土強靭化では、地震や台風、豪雨、土砂災害、津波、洪水、強風等のさまざまな自然災害が対象となっており、瓦固定義務化は「強風対策」の一つとなります。
瓦固定義務化は、2019年9月に発生した「房総半島台風」が直接的なきっかけとなっています。房総半島台風では、千葉県の館山市や南房総市、鋸南町を中心に瓦屋根が脱落する被害が多く発生しました。
出展:国土交通省 令和4年1月1日から 瓦屋根の緊結方法が強化されます
平部の被害 南房総市白浜町(沿岸部以外)
義務化の開始時期と対象建物 |
住宅の瓦屋根には、大きく分けて「瓦屋根」と「スレート屋根」「金属屋根」の3種類があり、対象となるのは瓦屋根の建物です。瓦屋根には主に粘土瓦やセメント瓦があり、いずれも新しい告示の対象となります。
新しい告示は、2020年12月7日に公布され、2022年1月1日に施行されています。よって、2022年1月1日以降に着工する瓦屋根はすべて固定化されていきます。対象の建物は新築建物だけでなく、2022年1月1日以降に増築する増築部分も対象となっています。
既存住宅のチェックポイント |
既に建築されている住宅の瓦屋根は、安全性が低い可能性が残っています。
国土交通省では、既存住宅の瓦の安全性を確かめるための以下の3つのチェックポイントを挙げています。
既存住宅の瓦屋根のチェックポイント
・2001年より前に建てられた瓦屋根の建築物で、2001年以降に瓦屋根が改修されていない物件
・瓦のずれや浮き上がりが生じている物件
・瓦が著しく破損している物件
瓦を全固定化するガイドライン工法は、2001年8月に策定されたため、それより以前の瓦屋根の物件は全固定化されていない可能性があります。2001年より前の建物は、平部やムネ(1枚おき)の瓦が緊結されていない物件が多いため、強風によって瓦の脱落が発生する恐れがあります。また、瓦のずれや浮き上がりが生じている物件や著しく破損している物件も、安全性が低いといえます。
なお、屋根は滑りやすく危険であるため、国土交通省では自ら登ってチェックすることはしないよう強く警鐘しています。瓦は耐風・耐震診断があるため、早期に調査する事をおすすめします。
出展:国土交通省 令和4年1月1日から 瓦屋根の緊結方法が強化されます
瓦屋根の耐風診断(1次診断)
出展:国土交通省 令和4年1月1日から 瓦屋根の緊結方法が強化されます
瓦屋根の耐風診断(2次診断)
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